2001年8月28日〜9月5日
渋谷Bunkamuraで開催された「イバラードの世界」・・・井上直久展のレポート
この文章はホームページの管理人日記をまとめたものです。A^^;
取りあえず、簡単にレポートを!
今回は、会期中会場内にて井上直久先生が絵画制作をされた。
作品の最終日までの制作過程


■ Bunkamura初日 
□ 2001/08/29(Wed) 01:13:55   

初日が終わりました。(ーー)
じっとしていても時間は容赦なくやってくるもの。
あすは、間違いなく二日目! ヾ(ーー;)って、おいおい

パンフレットや駅構内掲示のポスター、ダイレクトメール、新聞広告など・・・
いろんなところでご紹介する機会をつくり、ようやくたどり着いた展覧会だ。多くのお客様にご覧いただきたい。
また、喜んでいただけるよう先生と相談しながらすすめて来た。
そして、今回もこれまで通り、期待を裏切らない傑作揃いだ。
また、先生も悔いの無いようにとことん描き込まれた作品が目白押しだ。
初日は、Bunkamuraの催しの入場者もあり、波があったが、かなりのご来場者があった。
東京の恒例となっている池袋東武のお客様とはまた違う、東急沿線のお客様だ。
もちろん、イバラードをはじめて見る方も多い。Bunkamuraの演奏会の帰りに見て、気に入られた方も。
渋谷ということもあり、来場者の年齢層も若い。
渋谷の混沌とした街の色合いにイバラードが溶け込んでいるような気もする。
きょうからあと8日間、とにかく全力であたります。

■ Bunkamura二日目
□ 2001/08/30(Thu) 01:31:48   

昨日に比べて少ない来場者だった。
しかし、お相手できないほどの入りよりは、ゆったりとご覧になれたかもしれない。
イバラーダーは、きょうも何人か来場してくれた。
大半が土日が仕事やら、都合が悪いやらで来場できない方々のようだった。
井上先生は、毎日のように出版社の方々との打ち合わせがはいっている。
きのうは、架空社の社長と大判画集の最終打ち合わせのようだった。
先生の作成された見本を拝見したが、予想以上に迫力のあるすばらしい画集だ。
画像が26点?で価格は3900円あたりに落ち着きそうだ。
今日は、講談社の方が画集の打ち合わせに来場された。
こちらは、文庫本のようなミニ画集らしい。 A^^;

さて、きょうの制作状況・・・
しかし、きょうは、気分を変えて小品の加筆にもチャレンジ!
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そして、大きい方の作品は、このような感じに
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きのうの状態は、抽象画そのものだったが、どうやら毎日ホテルから通ってらっしゃる時に前を通るビストロの風景をモデルにされているらしい。
しかし、どことなく、「回廊」に似た様子でもある。
そう申し上げると、久しぶりに「回廊」を見たのでその影響があるかもしれないと、言われたのだった。
はて、明日はどうなるのだろう・・・・・。お楽しみに! 


■ Bunkamura三日目 
□ 2001/08/30(Thu) 23:30:08   

きょうは、Bunkamuraで公演されているフォッシーと言うブロードウェイミュージカルが夕方からだったこともあり、夕方から大変にぎわった。
イラストレーターのたむらしげるさんが来場された。
パリから帰国しているイバラードファンの佐藤さんも来場。久しぶりに再会した。
しかし、今年の春にもたまたま帰国していて、イバラードとは縁があるようだ。
佐藤さんは、大判画集のフランス語訳を担当してくださる。フランスの大学でフランス語の言語学の研究者でもあるので完璧だ。
10月のパリ展でもお世話になるだろう。
そのほか、数名のイバラーダーも来店してくれた。

井上先生の作品の制作状況三日目
*製作中の井上先生
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*それを見守るみなさん
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*使用されている絵の具をこっそり覗く A^^
参照画像;

*本日の最終段階
手前にビストロのメニューが置かれている。
店の中のテーブルが描かれている。
入り口には、サンプル料理も置かれているようだ。
描かれるのを見ていた人が、左にめげゾウらしきものが見えると言った。
石ころもめげゾウに見えてくるから不思議だ。

これから雲がラピュタのように描かれていくのだろうか?
お客の影も描かれるのだろう。
そして、最後に人物はどのような配置で描かれるだろうか?
左の地平線は、野原になるのだろうか?
それとも高台にあるレストランで、眼下に町並みが描かれるのだろうか?
屋根には、草が生い茂るのだろうか?
などと・・次々に思い浮かんでいくほどの仕上がりになってきた。
これからが見所だ!( ̄ー ̄)
本日の終了時の状況
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■ Bunkamura四日目 
□ 2001/09/01(Sat) 00:45:09   

外は、蒸していて暑い一日だった。
コズミックツリーが個人蔵になった。
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この状態は、今出品されているものの加筆前の状態だ。
加筆後の作品は後日掲載する。
空の部分が大変なめらかになっており、あたかも板の上に描かれたように思えるほどだ。
これまでは、シェルマチエールという貝殻の粉末を下地に使用することが多かったが、
この作品はジェッソと言う下地用の白だけをナイフで塗りこめられている。
それだけに、ざらざらした下地よりも細やかな表現が可能なのだ。
たしかに、加筆された作品を見ると、ツリーの一部に水惑星(水滴惑星)が描かれており、その波紋までが描き込まれているのだ。
これは、実際に間近かで見ないと見えない。

井上先生の作品の制作状況四日目

*窓の数が増え、手前が水面になった。入り口上部に看板らしきものがある。
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*部分拡大
参照画像
外のメニューや料理サンプル、店内のテーブルなどが細密に描きこまれてきた。
水を描くときには、フタロシアンブルーと言う絵の具を使用する。
これは、透明なために塗っても下の色が見えるので水の透明感を表現するのに適している。
深いところは、濃いブルーにするとそれらしくなる。この絵の具で先ほどまで地面だったところが簡単に水の中になったのだ。
空の部分はセルリアンブルーと言う絵の具を使用する。これは半透明なために下の色を生かしながら塗ることができる。
また、雲はジェッソで影の濃い部分が塗りつぶされ色が薄くなった。

*初期の大きなタッチで活躍する筆は、ファンと呼ばれる平たい筆だ。
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そして、緻密な描写になると雀頭筆(ジャクトウフデ)と呼ばれる根元が太く、先が細い筆を使用される。これは、写経に使う筆であるらしい。


このように目の前で描かれるのを見ていると容易に見えるのだが、
迷い無く色を使えるようになり形を作り上げて行けるようになるには多くの訓練が必要なのだ。
わたしの説明では言葉足らずなところはあるが、ぜひ、参考にして欲しい。

 
■ Bunkamura五日目 
□ 2001/09/02(Sun) 00:46:42   

土曜日。かなりの入場者だった。混雑時の様子。
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井上先生が絵を描き始めると、その周辺には大きな人垣が・・・。
ふと、目を止めると、白いドレスを着た美少女が立っていた。
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まるで、絵の中からでてきたかのように・・・・・(;^^A ふう〜

こちらは、その少女の比較画像です。(ーー;)
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六時からミニコンサート!
開始前に井上先生がみなさんを前に一席!
そのあと、井上先生はビートルズのYesterdayを弾き語りされた。
これがポールのお母さんが亡くなった時のものとの説明を聞き、心にジーンとくるものがあった。
そして、バックのバイオリンとピアノがそれをさらに引き立てた。
これまでの先生の歌の中では、最高だったかもしれない。
昨年は、都留さんのときは、何があってもめげないことを教わったのだが・・・(^^;)
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そしていよいよ都留さん、中村さんらによるイバラードな音楽会が開始。
イバラードの曲を数曲、そのあと井上先生から「十界の辻」をテーマに即興で演奏をリクエストされた。
絵の説明を簡単に聞いたあと、その作品をイメージして演奏が始まった。
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イバラードの居住者からのカンパで花束を贈呈!
勢ぞろいしたイバラードの美女たちがその役目を果たしてくれた。(^^;)
ここには、写っていないが白いロリ服を着た美少女もいた。
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この演奏会のあと、すぐ近くのレストランで会食。
居住者約18名ほどが参加した。
私自身は、そのあとみなさんと連れ立ってゲームセンターでカーレースに興じたのだった。(ーー;)ひさしぶりに
あすの日曜・・・さらにフィーバーしそうな気がする・・・

 
■ Bunkamura六日目 
□ 2001/09/03(Mon) 06:32:00   

日曜日。
賑わいは、ピークに達した。
絵を描く先生のまわりに集まる人々。
その後ろには、めでたく目標を達成し、安心した様子のピンクのコスチュームの美少女が・・・・
きょうは、ついに自分の後姿まで先生のイラストをゲットし、充実した一日だったようだ。
きのうは、獲物を狙う目であったが・・・その後姿にも余裕が・・・いや、もしかして安心しているのは、イノナ氏の方かもしれない・・・^^;
そして、それらの画像は壁紙やアイコンにせよと、そのまま私にアップするように回ってきたのだった。A^^;
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予定より早めに始まったミニコンサートに集まった人々。
今日は、Only Youの歌詞が皆さんに配られていっしょに歌った。
歌詞は、いのうえバージョンだった。
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今回は松尾さん、小室さんたちに加えて、飛び入り参加をしてくださった杉真理さんたち。
松尾さんたちは、イバラードやビートルズ、スパークス、デビッドボーイの曲など井上先生の大好きな曲を演奏してくださった。
いのうえ先生との愉快な掛け合いトークで、さらに会場は盛り上がっていった。
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そしてイバラードの女性たちから花束の贈呈があった。
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絵は着実にきょうも描かれている。
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最後に、きょうは私の誕生日ということで、先生や皆さんから寄せ書きやたくさんのプレゼントをいただき、ほんとにうれしい一日でした。
この場を借りて、御礼申し上げます。 
 
■ Bunkamura七日目 
□ 2001/09/04(Tue) 00:44:10   

今回の出品作品の中でも目立ったものが約定いただいたが・・・
例えば、
「西国街道」
この作品については、以前から何人からかお問い合わせをいただいていた。ずっとアートスペースに置かれていた。
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「コズミック トリー」
これは、惑星の木の発展形だ。次回作はもっと大きくなるのだろう。
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加筆後
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がそれにあたる。
下記の画像は、その中央部分にある市電を描かれている部分の拡大だ。
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そして今日、あの「世界はあなたのコレクション」が嫁いでいった。
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この作品は、井上先生の以前からの標本箱に続くコレクションシリーズの傑作だ。
これが手許になくなったことで、次には60Pサイズの作品に挑戦されるそうだ。(現在のは40号)
そして関心事は、「世界はわたしのコレクション」からタイトルがどのように変化するのだろうか? と言う事だ。
作品中の赤ちゃんが今度は幼稚園児ほどの子供に成長して、母親といっしょか、或いは一人で立つと言う輪廻になるのだろうか?
興味津々だ。

画廊内での制作は、毎日続いている。
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いよいよ大詰めになって来た。
さあ! 人物はどこにどう描かれるのだろうか?

 
 
■ Bunkamura八日目 
□ 2001/09/04(Tue) 22:52:40   


いよいよ明日で終了となる。
先日、ミニコンサートをしていただいた松尾清憲さんや小室和幸さん、杉真理さんらが絵を見に来場された。
そして、ゆったりとご覧いただいた。また、次に機会があれば楽しみだ。
俳優の大和田伸也さんが来場され画集を二冊買っていただいた。
画集にイラストとサインをしながらしばし歓談された。絵がお好きなようだ。

きょうは、次々に来客もあり絵画制作の方の筆は、あまり進まなかった。
しかし、ほぼ完成に近づいたようである。
全体的に詳細が仕上がれば、しばらくそのままで置いておき、その後人物をいれるそうだ。
慌てて、人物を入れると不自然になってしまうとのこと。

本日の制作終了時
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そして、同時に加筆だけをされていた小品は、最後にフェアリーとイカと魚を加筆されて完成した。
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しかし、すでに個人所蔵になった。 
 
■ Bunkamura 終了! 
□ 2001/09/06(Thu) 01:14:07   


本日、Bunkamuraでのイバラード展が終了した。
今回の特徴は、やはり渋谷と言うこともあり、若いお客様が多かったと言うことだろう。
また、初めての方も多く、グッズでも博物誌1がよく売れたことからもそのことが伺える。
大作や初期の代表作を展示したのも豊科近代美術館展以来で、イバラードファンにとっても見ごたえのあるものとして、
お喜びいただけたのではないだろうか?
また、ミニコンサートもこれまで以上に盛り上がった。わたしたちにすばらしいソルマを見せてくれた。(^^)
今後、松尾さん情報、都留さん情報など、リンクしてご紹介していきたいと思う。
さらに、お楽しみいただけたと思うのは、井上先生による会場内での作品制作だ。
お客様と話しながら絵を描くという、まれに見る演出だった。
それを逐一、ネットでご紹介することで、その変化するさまをご覧いただけたと思う。

きょうの状態
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最終的に人物を入れるところまではいかなかったが、ほぼ完成したと言ってもいいかもしれない。
いずれにしても、これで終わりと言うことはないので、今後も変化していく事は間違いない。
この作品は、約一ヶ月ほどイバラード東京出張所(アートスペース)に、他のイバラード作品とともに、展示されることになった。
お近くにおいでの際には、ぜひお立ち寄りください。
こちらが地図です。
またイバ展で会いましょう!(^0^)ノ